「黒マー油」について老舗のラーメン店が詳しく解説します!

皆さま、こんにちは。熊本ラーメン専門店 黒亭です。

今回は、熊本ラーメンの代名詞「黒マー油」について、詳しくご紹介します。

豚骨ラーメンに欠かせない香味油として、熊本で長年愛され続けている「黒マー油」。
さらに熊本ではラーメンだけでなく、さまざまな料理の調味料としても「黒マー油」が使われています。

仕上げにさっとひと振りするだけで、いつもの野菜炒めや炒飯が、香りと旨みが絶妙にからむ「お腹をすかせる料理」に早変わり!
お肉のソテー、スープの仕上げにひと振りするのもオススメ!まるでお店で食べるような奥深いコクと香ばしさが加わりますよ。

 

そもそも「黒マー油」って?スープに浮く黒い粒の正体

「黒マー油」は単に「マー油」であったり「焦がしにんにく油」とも呼ばれます(ちなみに黒亭では「焦がしにんにく油」と呼んでいます)。

初めて熊本ラーメンを召し上がられたお客様から、
「このスープの一面に浮いている、黒い粒々は何ですか?」とご質問をいただくことがあるのですが、これこそが「黒マー油」。
にんにくをじっくりと焙煎し、その香ばしさと旨味を油に抽出した香味油です。

「黒マー油」は、豚骨ラーメンのために生まれた熊本発祥の香味油。
熊本ラーメンが他の地域の豚骨ラーメンと一線を画すのは、この「黒マー油」の役割がとても大きいと言えます。

九州豚骨ラーメンの中でも非常にユニークな調味料(香味油)ですが、熊本ではスーパーの棚に「黒マー油」が普通に並んでるくらいポピュラーな存在。

全国での「黒マー油」の知名度はまだまだだと思いますが、
首都圏に熊本ラーメンのお店が増えてるせいか、「黒マー油」の香ばしさとほろ苦さに魅了される方が、じわじわと増えてきているようです。

 

職人の試行錯誤から生まれた「魔法の油」

豚骨ラーメンのために生まれた「黒マー油」。その始まりは昭和30年代にまで遡ります。

今のような高性能な調理設備はなく、石炭でスープを炊いていた時代。火力を一定に保つことすら容易ではありませんでした。
そのため、豚骨の旨味を抽出する長時間の炊き出し過程で、特有の強い野性味(豚骨臭)が残っていました。

白濁豚骨スープ発祥の地である久留米では、あえてそれを個性として活かした一方、
他の地域では豚骨臭への様々な試行錯誤が行われ、それぞれに異なる豚骨ラーメンの特色が生まれました。

例えば、福岡の博多ラーメンでは「紅生姜」や「辛子高菜」「すりごま」を合わせる文化が定着しました。豚骨の臭みを和らげ、後味がスッキリと軽くなります。

熊本県北部の玉名地方では「にんにくチップ」が入れられるようになりました。にんにくを香ばしく揚げる、煎るなどして水分を飛ばしたチップです。
ラーメンの仕上げに「にんにくチップ」を振りかけて豚骨の臭みを消すとともに、にんにくの香ばしさとパンチがスープに加わります。

その後、にんにくと豚骨スープの相性の良さが熊本市内に伝わると「油でじっくりと焙煎し、にんにくの旨味と香りを油に抽出する」という独自の技法へと発展しました。これが「黒マー油」です。
食欲を駆り立てるにんにくの香ばしさと、焦がしにんにくのほろ苦さが、ラーメンの味をグッと引き立ててくれます。

「マー油」の語源にはいくつかの説がありますが、ラーメンの味を劇的に美味しくする「魔法の油」から「魔(マー)油」と名付けられたという説が広く知られています。

 

力強さと繊細さ。黒亭の焦がしにんにく油へのこだわり

昭和32年創業、伝統的な熊本ラーメンを作り続けているわたしたち黒亭にとって「焦がしにんにく油(黒マー油)」は、絶対に欠かすことができない存在です。

わたしたちの日々のラーメンづくりにおいて譲れないのが、スープと麺と「焦がしにんにく油」の三位一体のバランス。

「焦がしにんにく油」は、ただ苦いだけでも香ばしいだけでもいけません。
豚骨の旨みを最大限に引き出しつつ、後味をスッキリとさせる。この、力強さと繊細さの共存こそが、黒亭の魂であり、どこにも譲れない一線です。

互いを引き立て合い調和を保つ、絶妙なバランスを成立させるため、黒亭の「焦がしにんにく油」は完全自家製。細心の注意を払って「焦がしにんにく油」を手作りしています。

にんにくを炒める火加減や時間の見極めは、秒単位の正確さが求められる職人技。
黒亭ならではの絶妙な焦がし加減と、香ばしく豊かな香りを出すために、大量調理はせず、専任の職人が日に何度も手作業で焙煎を行っています。

 

職人の技を限りなく再現。黒亭 焦がしにんにく油

熊本では家庭料理にも使われる「黒マー油」。
お客様からよく「黒亭の『焦がしにく油』を自宅で使いたい」という、お声をいただいていました。

ですが、黒亭のお店でご提供している「焦がしにく油」は数日しか保ちません。

そこで、黒亭の「焦がしにく油」職人と食品メーカーとでタッグを組み、商品開発に着手。
数々の試行錯誤と研究を重ね、黒亭の徹底したこだわりと繊細な焙煎加減を、ご家庭で手軽に楽しんでいただけるよう限りなく再現したのが、公式オンラインショップでも販売している家庭用の「黒亭 焦がしにんにく油」です。

店舗同様の手抜きの無い本物の味だからこそ、全国の「黒マー油」ファンのお客様からご好評いただき、高いリピート率に繋がっていると自負しています。

旨×辛 焦がしにんにく油(赤マー油)

さらに、もうひと品。こちらもお客様からの熱いご要望にお応えして生まれた、黒亭オリジナル「旨×辛 焦がしにんにく油」(赤マー油)をご紹介します。

辛口なラーメンがお好きな方はもちろん、家庭料理を香ばしくスパイシーに仕上げる調味料として大変ご好評いただいています。

この「赤マー油」で、わたしたちも『なるほど!』と思ったのが「マヨネーズと合わせる」アレンジ。
にんにくの旨味とピリッとした辛味が、マヨネーズのマイルドなコクと合わさり、絶品ディップソースに早変わり。
野菜スティックやフライドポテトのディップソース、唐揚げのつけダレとしても抜群の美味しさです!

 

今夜、魔法のひと振りを試してみませんか?

長年、熊本で愛され続けている「黒マー油」。少しずつ、でも確実に全国のファンが増えてきています。

熊本県民として、いつか日本中の食卓に新しい調味料のひとつとして「黒マー油」が並ぶことを期待しています。
もしかすると、オリーブオイルのように世界中の食卓に並ぶことも夢ではない?

皆さまの毎日の食卓を豊かに、笑顔あふれる楽しい時間にする手助けができる、ユニークな香味油「黒マー油」。
いつものラーメンに、いつものお料理に。ぜひ、魔法のひと振りを試してみてください。

最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。